家の近くに「花の道」という小道があります。
そこを通ると「ヒガンバナ」が咲いていました。ヒガンバナといえば、4年生の教科書に出てくる「ごんぎつね」(新美南吉)をどうしても思い出してしまいます。
「お昼がすぎると、ごんは、村の墓地(ぼち)へ行って、六地蔵(ろくじぞう)さんのかげにかくれていました。いいお天気で、遠く向こうには、おしろの屋根がわらが光っています。墓地には、ひがん花が、赤いきれのようにさき続いていました。と、村の方から、カーン、カーンと、そう式の出る合図です。
やがて、白い着物を着たそう列の者たちがやってくるのが、ちらちら見え始めました。話し声も近くなりました。そう列は、墓地へ入ってきました。人々が通ったあとには、ひがん花がふみ折られていました。」【新美南吉作:「ごんぎつね」より】
ごんが隠れてずっと葬列を見ている情景が、遠近感を感じさせる表現で描かれています。その中で、ヒガンバナの真っ赤なイメージが自分の頭の中に鮮明に焼き付いています。
ごんぎつねの舞台である愛知県半田市の矢勝川堤のようには咲いていませんが、近所の小道に細々と咲いているヒガンバナもいいもんです。
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